対機説法

玉泉寺

2015年11月25日 11:53

この間のブログで、自灯明法灯明について書きましたが、
私が仏教が素晴らしいなと思う事の一つに
「対機説法」(たいきせっぽう)、という言葉があります。

これは、「相手の性質に合わせて話をする」ということです。
お釈迦さまは、話をする相手によって、
違うことをお話になったりしたそうです。
それは、相手の性格、環境、状況などを考えて
お話になったということ。

ですから、言ってしまえば仏教では「こうです」、
と断定した教えというのは
ないのではないかと思うのです。
基本的な大切なことというのは八正道などありますが
あとは、その人によって違うのです。
逆に、同じことを言わんとしても
違ういい方をする場合もあります。

相手を否定することもなく、受け入れやすくなります。
導入からして、人は皆違う、ということを前提に
話されているからです。
この精神があれば、精神的な部分では人は争わないのではないかと
思うのですが・・・。

考えてみれば当たり前ですが、
なかなか革新的だと思います。
私は、ほかの宗教について詳しくはありませんが
「相手によって違うことをいう」宗教なんて他にあるんでしょうか。
これは、お釈迦さまが心から人間と向き合っていたからこそ
生まれた教え、というか手法なのではないでしょうか。

仏教が本当に人間くさく、この世界で生きている私たちを導こうとする
お釈迦さまの心がにじみ出ているようで
私はますます釈迦ファンになってしまうのでした。




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