軽井沢スキーバス事故をうけて

2016年01月25日

今月、15日に軽井沢でスキーバス事故が起こりました。
10代から30代の若者が乗車していて、犠牲者も主に若者でした。
連日、ニュースや新聞などで報道がされていますが
夢や将来がある若者が犠牲になったことに
本当に本当に胸が痛みます。

また、親御さんやご家族の気持ちを思うと
本当にお辛いだろうと、苦しくなります。

どんな言葉をかけても、今、心は沈み
晴れることはないかもしれません。

願うのは、この事故が教訓となり
第2、第3の犠牲が出ないように
前へ進んでいくことしかありません。

先日関連するニュースを見ていたら
献花に訪れていた年配の男性が
こんなコメントをしていました。
その日は、ちょうど事故から一週間。
「今日は事故から7日。
初七日だで、手ぐらい合わせに来てやりたかった。」

仏教では、中陰の思想(四十九日の思想)というものがあります。
この世とあの世の間には
四十九日の時間、距離があって、
七日ごとに仏様の教えをいただいて導かれたり
閻魔様から裁きを受けたりしながら来世の行き先が決められます。
四十九日にやっと成仏して極楽浄土へと旅立っていくと言われています。

一般的には四十九日にこの世との別れ、無事に極楽浄土に行けるようにとの法要を行います。
また、亡くなってから百日後の百カ日は
「卒哭忌(そつこくき)」といい、
泣くことをやめ、悲しみに区切りをつけて
進んでいくことを示しています。

本当にあの世があるのか、閻魔様がいるのか、
それは私たちにはわかりませんが
せめて魂が穏やかに旅立っていけるよう、手を合わせたいと思います。
そして残されたご家族には、百カ日といわずとも、
どこかで区切りをつけて
前に向かって進んで欲しいと願います。

人生の中で、苦しいことはたくさんあるけれど
その中の一つに「愛別離苦(あいべつりく)」があるとお釈迦様はいいました。
どんなに愛しい者であっても、命あるものはいつかは別れなければなりません。
また、仏教では宿業という言葉があります。
業というのは宿命というような意味ですが
人はそれぞれ、業を負いながら、生きなければいけないのです。
人生は苦しく辛く、思いのままにならないことの連続です。

「犀の角のようにただ独り歩め」。

これもお釈迦様の言葉ですが、
「犀の角」とは、孤独ということ。
ただ、孤独の中を孤独と戦いながら歩みなさい、ということです。

人生は苦しく辛い。孤独ではないように見えて、皆、孤独です。
それをただ、歩みなさい、というのです。

一見、突き放されたような、厳しい言葉にも聞こえます。
でも私は、とても的を得ているように聞こえます。
つまるところ、
何かにすがっても、自分で歩むしかない。
それしかないのだと思います。

ご家族の皆様が前を向いて歩めますよう。
犠牲になられた皆様のご冥福を心よりお祈りし、
もう2度と、このような事故が起きないように
心から願っています。













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Posted by 玉泉寺 at 15:50 | Comments(0) | お寺
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