自然に還るもの

2016年04月27日

熊本地震関連のニュースが毎日報道されています。
自宅が倒壊するなどして避難されたり、
断水が続いて、いまだに日常生活に支障があり
生活されている方々が多くいます。
余震が多く、本当に心休まる日がないだろうとお察しします。

先日は、こんなニュースが流れていました。
倒壊された家屋で壊れた家電製品や、家具、その他諸々のモノを
自治体が処理するということで、広場に持ってきてくださいとよびかけたところ
あまりにも沢山運ばれすぎて、急きょ受け入れを停止した、というものでした。
テレビや家具が山積みにされていました。


お寺でも、依頼を受けて
お焚き上げや人形供養など、様々なものをお預かりした場合、
住職、副住職がお経をあげてご供養した後に
焚けるものは、裏庭で焚いたりして
丁寧に処分させていただいています。

しかし、今は化学製品が多すぎて焚けないものもかなりあります。
そういうものは、清掃工場へ持っていきます。
お焚き上げをするのも、ぶっちゃけ一苦労です。
燃えるもの、燃えないものを一つひとつ分けて、
燃えないものも、その素材によって分けなければいけません。


変な話ですが、
副住職が話してましたが、昔の盆提灯は木と紙でできているのに対し、
今のものは、プラスティックと紙だから、基本お焚き上げNG。
昔は仏壇も分解しやすく、
使われなくなった仏壇を供養した後、(ほんとに昔)
お風呂の薪に再利用していたこともあるらしい、との話を聞きました。
使用しているのは、自然素材の木のほかに、
塗料も天然のものだったから可能のことだと思います。
そのまま焚いたり、捨てたとしても
自然と土に還るもので、身の回りのほとんどのものが作られていたのでしょう。

今は、家電製品など、分解してまた、新たな製品に使われる場合もあるのでしょうが
そのまま置いても自然に還らないもの、
下手に燃やすと有害物質がでるもの、
そんなものばかりのような気がします。

極端かもしれませんが、自然素材でできた仏壇は、分解すれば
お風呂の薪になるけれど
化学物質でできた製品は、お金をかけて高温で燃やしてもらわねば
なりません。

化学製品の方が、安く、大量に作れて売れるのかもしれません。
見渡せば、私の周りにだって化学製品ばかりですので偉そうなことは言えませんが
テレビに映し出された大量の化学製品の山。
今回は、震災の影響でしたので何とも言えませんが
あれは、一つひとつ、手作業で不燃と可燃にわけるんだろうか?
それとも一気に燃やすんだろうか?埋めちゃうんだろうか?
ふと、お仏壇の話を思い出したのです。

山では、おじいちゃんおばあちゃんが、
昔の感覚で、何でもかんでも自分の畑で燃やしちゃうので
時として、変なにおいがする場合もあって困りものですが
そもそも、生産する側が
自然に還るものを作ってほしいと願います。
多少高くても、その方が長い目で見たときには
環境にも、私たち自身にも良いはずです。

生産する側は安く大量につくり、たくさん売れれば良いかもしれません。
ゴミを出す側は、ゴミ袋に入れてしまえば良いのかもしれません。
でも、その裏側では分別する人がいて
大量にお金をかけて、環境をこわしていきます。

モノを作るとき、買うとき、捨てる時。
多くの人が少しでもそんなことを考えられたら、と思います。
未来の子どもたちに少しでも良い環境で生活してもらいたいと思います。
地球を汚さないでいきましょう。










同じカテゴリー(お寺)の記事画像
春休み、京都旅行へ③~東福寺、宿周辺~
春休み、京都旅行へ②~聖護院、黒谷山、平安神宮、京博~
春休み、京都旅行へ①~黄檗山宝蔵院〜
初午 無事に
玉泉寺しんぶん 
万福寺の節分会
同じカテゴリー(お寺)の記事
 春休み、京都旅行へ③~東福寺、宿周辺~ (2024-04-07 00:29)
 春休み、京都旅行へ②~聖護院、黒谷山、平安神宮、京博~ (2024-04-06 23:31)
 春休み、京都旅行へ①~黄檗山宝蔵院〜 (2024-04-04 23:11)
 初午 無事に (2024-03-24 20:19)
 玉泉寺しんぶん  (2024-02-29 09:33)
 2024 初午星まつり 受付中! (2024-02-09 21:42)

Posted by 玉泉寺 at 15:16 | Comments(0) | お寺 | 暮らし
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。