ご葬儀今昔

2018年12月12日

近年では、お葬式や法事を葬祭センターでやることが一般的となりました。

昔は各家庭でやることが主でした。
弔問客が訪れるので、食事を出したりお茶を出したりすることは
お客さんに挨拶をしたり
なにかとバタつく家の人間に代わって
「隣組」、という機能が働いてご近所の人たちが
お手伝いに来てくれたのです。

そうやって、人手が必要な時はお互い支えあい、
葬儀や法事は行われていました。

時代の変化によって、必ずしもその土地に暮らし続ける意味がなくなって
それに伴って、隣組という機能もなくなってゆきました。

そして、アパート暮らし、核家族、などなどの住環境、家庭環境の変化から
家で行われていた仏事が、葬祭センターへと場所を変えていきました。
隣組が担っていたことを、お金を払ってやってもらうサービスとして葬祭センターのスタッフたちが行うようになりました。

本来は、葬儀や法事を行う施主は、遺族である家族であって
その人たちが、弔問客にありがとうございます、と挨拶をするので
自分たちはお客ではないはずです。

何が言いたいかというと、
本来はもてなし、施す側の遺族が、自分たちも葬祭センター、葬儀屋さんの
サービスを受けるお客さんとなってしまっている近年の状態だということ。


話は違いますが、結婚の相談を受けることがあります
結婚が決まりそう・・・でも、結納や挙式について、相手の家族も含めて
どうすすめていけばいいのか?と
悩まれる人が多いのです。
葬式もそうですが、人生で何度もあるわけではないので
皆さん、不慣れでわからないことばかり。
なのでお寺に訪ねて来られるわけですが
結納やお式などは、昔の手順をふんできちんと行ったほうが良いですよ、と
お答えしています。(住職や副住職がね)

現代の人たちには、なんだか、そうした昔ながらの手順がまどろっこしいというか
それ必要?、と思うことも多いと思うのですが
そういう手順こそが必要なんですよ、とお答えしています。(住職や副住職が)

そうした手順を最初からふむことによって、
それ以降の問題が起きにくくなるということが言えます。
中間の諸々をないがしろにおろそかにしてしまうと
小さな火種となって、後で後悔することもあるのです。
事実、結婚式を挙げたカップルの方が挙げないカップルより離婚率が低いという調査もあります。

まどろっこしくて、一見必要ではないようなことでも
実は必要で、大事な手順だったりするのです。

話は戻って、葬儀も自分たちがする側なのだ、という意識がないと
おかしなものです。
以前もブログに書きましたが、
来てもらってありがとう、生前故人と親しくしてくれてありがとう、という
気持ちの表れがお葬式になるんではないかと思います。

最近では、葬祭センターではなくお寺で
法事や葬儀を行うことを主とした業者さんも。
お寺で葬儀を行うことによって、住職とゆっくり話ができる雰囲気が生まれたり、
自分たちはお客さんではなく、施す側であると感じたり。
ですから、その業者さんも、必要以上に私たちは手をださずに
お施主さんでやる意味をお伝えしています、と話していました。
もちろんお寺側も、ご葬儀の意義をお伝えしていかなければならないと思います。

結婚の話もそうですが、
細かいことですが、そうした諸々の気遣いが大切なんじゃないかなぁと思うのです。













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Posted by 玉泉寺 at 13:05 | Comments(0) | お寺
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