牛頭天王の札

2020年05月10日

真言宗豊山派の総本山、奈良県長谷寺では
清らかに新年を迎えるために
1月1日から7日までの修二会と、
2月8日から14日までの修二会を毎年奉修しています。

結願の14日には、お札の中で最強の力を持つという
「牛玉札」(ごおうふだ)を授与します。
年に1日限りで、札を手にすると1年をを息災に過ごせるといいます。

牛玉札をもつ参拝者の額に、閻魔大王から下賜された宝印の「檀だ印」を
押し当てることから「だだおし」と呼ばれるようになったと言われています。

修二会では、太鼓やほら貝が響き渡る中、本堂に鬼が出現。
僧侶らが修二会中に祈願していた牛玉札を手に、鬼を追い払うのだそうです。


先日、玉泉寺の古い木札を整理していたら、
なんと!!!!!!!!!

これは!?と思われる木札が。

これは、冗談ではなく、
今、コロナで皆が困っていて
何か、そうしたものを打ち払うようなお札が昔にはなかっただろうか、と
副住職と木札を整理していた時に、見つけたもの。

いろいろと調べるうち、
ざっくりとではありますが、分かったことは
その札は牛頭天王(ごずてんのう)、と呼ばれるもので
諸説ありますが薬師如来が垂迹(仏様の権現)化したものであり、
行疫神として崇められていた。

祇園信仰の神ともされ、全国の祇園社、天王社で祀られたそうです。
祇園というのは、もともと疫病の流行る6月から夏にかけて
行疫神を慰め和ませることで、疫病を鎮めるという意味をもつお祭り。
強い霊力を持つがゆえに、逆にそれを丁重に祀れば
疫病を抑えられるとして除疫神として信仰されるようになったといいます。


偶然にも見つけた神様が
祇園の神様、除疫の神様であり、牛頭天王だというのだから、驚きです。


いつの時代のものでしょう。
ホコリを落とし、興奮しつつ刷ってみました。

玉泉寺の牛頭天王は
文献にあるような怖い顔ではなく、普通のおっちゃん。
しかし、しっかりと牛の頭をし、手には縄?と斧を握っています。

牛頭天王の札

そして、その牛頭天王の裏面には
稲穂を手にした、稲荷大明神が彫られていました。
五穀豊穣の神様ですね。

現代の疫病といえるコロナの厄を払うべく
5日の大般若転読会を行うとともに
牛頭天王のお札もお祀りしました。

牛頭天王のご加護があることを願わずにはいられません。


ただ、調べてみると冒頭に書いた「午玉札」と「牛頭天王」は
別物であるようです。
牛、が付いているから同じものなのかと思いましたら
(そういう説もあるようですが)
違うんですね。
詳しくご存じの方いたら、教えてほしいです。

ともかく、牛頭天王は除疫の神様。
奥深いお札の世界です。

牛頭天王の札
大般若会に向けてお手伝い・・・

牛頭天王の札











同じカテゴリー(お寺)の記事画像
春休み、京都旅行へ③~東福寺、宿周辺~
春休み、京都旅行へ②~聖護院、黒谷山、平安神宮、京博~
春休み、京都旅行へ①~黄檗山宝蔵院〜
初午 無事に
玉泉寺しんぶん 
万福寺の節分会
同じカテゴリー(お寺)の記事
 春休み、京都旅行へ③~東福寺、宿周辺~ (2024-04-07 00:29)
 春休み、京都旅行へ②~聖護院、黒谷山、平安神宮、京博~ (2024-04-06 23:31)
 春休み、京都旅行へ①~黄檗山宝蔵院〜 (2024-04-04 23:11)
 初午 無事に (2024-03-24 20:19)
 玉泉寺しんぶん  (2024-02-29 09:33)
 2024 初午星まつり 受付中! (2024-02-09 21:42)

Posted by 玉泉寺 at 22:06 | Comments(0) | お寺
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。