すべてのものに仏性がある…その2

2021年09月05日

半月も前の話になりますが…
無事にお施餓鬼も終わり今年もお盆が過ぎました。

もう9月!急に涼しく、秋の気配です。

お施餓鬼会は、新盆のお宅と、役員さん、来られる方々のみにお越しいただき
今年も小川村「おやきの庄」さんのおやきをお配りしました。

コロナ禍ではありましたが、対策を取りながら行い
お盆の法要ができた事は良かったと思います。 

さて、すべてのものには仏性がある、の話。 

副住職に「こういう意味だと思うのだけど、実際はどうなの?」、と
尋ねたところ「アジャセ王子」の話を読むといいよ、
と言われました。

我が家のトイレに積んであります…。「ブッダ」。
手塚治虫が描いた漫画、「ブッダ」の中の、アジャセ王子です。

細かい話は興味ある方は読んでいただくとして
大まかに言うと、ブッダを嫌い、善良な父王や母を殺したアジャセ王子が
心ではその事を気に病み、
頭に腫瘍ができて苦しむのですが、
ブッダが一日も休まず3年間、
文字通り手当てを施す事によって
医者も見放したアジャセ王子が少しずつ治っていく、
という話です。

そして、腫瘍が小さくなってきた時に、
あんなにブッダを憎んでいたアジャセ王子が
苦しみの中でもブッダに向かって微笑みを見せるのです。

その時ブッダは、
「あの微笑みはまるで神のようだった」と衝撃を受け
「人間の心の中にこそ、神が宿っている」という大きな悟りを
得るのです。

そして、その例え話。

ある老人が飢えで倒れていた。
それを見たクマやキツネは、魚などを採って老人に食べさせた。
うさぎは、何も採れなかった。
うさぎは自ら火の中に飛び込み、肉となって、自分を食べてもらうことで
老人の飢えを癒そうとした。


誰しもが、このような事ができる訳ではありません。
ただ、それぞれがそれぞれのできる方法でやれば良い。

お金がある人は、苦しんでいる人に与え、
力のある人は支えてあげる。
何もない人は、相手の気持をくみとって寄り添ってあげる。

それだけでも、例え話のウサギのように、
相手のために苦しんだことになり、
この心が慈悲という。

この慈悲の心は誰にでも宿っていて、
自分が誰かを慈しんだとき、
同じように他の誰かも、自分を慈しんでいる。
自分が誰かを助けたとき、
他の人も、きっと自分を助けてくれる。

それは生きいているものも、草も木も、皆
繋がっているからなのだ、と
ブッダはアジャセ王子に話します。


うまく言葉では言い表せないですが
アジャセ王子の微笑み、
火に飛び込んだウサギ、

それぞれが慈悲の心を宿し、
それが「すべてのものには仏性がある」、
という事かなと思うに至りました。

うさぎの例え話は、行き過ぎ感もありますが
その例えを用いることによって
皆が慈悲心を持っているのだ、と言いたかったのではないかな…と思うのです。
そして、全ては繋がっている、とも。

ふむふむ。
皆さんは、どのように捉えますか?








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Posted by 玉泉寺 at 22:16 | Comments(0) | お寺
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