4月のソラテラ「非常食を考える」

2015年04月08日

本日、今年最初のソラテラを開催しました。
今年で早3年目となるソラテラ。
参加される方も増え、静かな山寺も賑やかに。
派手ではありませんが、今年も頑張って続けていこうと思っておりますface02face02
皆さま、今年も11月までよろしくお付き合いくださいませm(_ _)m


本日のテーマは「非常食を考える」。

昨年、11月22日夜10時ごろに白馬村、小谷村を震源とした
神城断層地震が発生し、ここ玉泉寺も大きな被害に遭いました。
いままでに体験したことのない大きな揺れ(震度5強)で、
何が起きたのか理解できず、ただただ揺れがおさまるのを待つことしかできませんでした。
ガスはつきましたが、電気、水道が止まり、当たりはまっくら。
冬の始まりの夜でしたので、寒さと不安でいっぱいでした。
2時間ほどで電気、水道ともに復旧しましたが、
その夜は余震も続き、安心して寝られませんでした。

その時の体験をもとに、災害はいつどこで起こるかわからないこと、
備えが必要であるということを感じ、ソラテラでも非常食について考えてみようと思ったのでした。


とは言っても私も非常食など作ったことも考えたこともなかったので、いろいろと調べてみたのですが
非常時でつらいことは、温かいものがたべられないこと、缶詰だけの味の濃いものだけでは逆に食欲が落ちたり、体調を崩したり、
食物繊維やビタミンミネラルがとれずに栄養が偏ったりすることなどが、挙げられていました。
そして、災害発生時、電気水道ガスのライフラインが復旧するまでの最低3日間は、非常食で持ちこたえるような備えが必要ということでした。

かと言って、3日間ずっと缶詰では同じなので、ソラテラでは
①栄養のバランス良く
②温かいものも
③美味しく
④身近にあるもの、保存食を活用して

を念頭に、3日間のメニューを、ざっくりではありますが考え、
その中から6品を実際に作ってみました。

条件としては
①水は(調べたところ)大人2人子供2人の4人家族で一日約10リットル必要、とのことでしたので、それを目安に、極力節水して調理をすること。
②庭で薪を燃やして火を焚いて調理すること。ガスコンロ一つ使えること。
③家屋倒壊はないものとして、冷蔵庫の食べられる食材、調味料、乾物、保存野菜などをしようできること。
④ボールやまな板、お皿など極力汚さないこと

本当は、外で実際に火を焚いて調理しようとしたのですが
今日は季節外れの雪が!!!降り、急遽、お寺の台所に場所を変更。

今日作ったメニューは
①非常時用の袋を使って炊くご飯
②すいとん
③高野豆腐と切干大根の煮物
④大根と寒天のサラダ
⑤サバ缶と玉ねぎスライスのサラダ
⑥煎り豆

4月のソラテラ「非常食を考える」

4月のソラテラ「非常食を考える」

4月のソラテラ「非常食を考える」


今回は私自身も実験で、どんな風にできるかわからず実験的でしたが
メニューを考えていた時に、ふと、
これって、いつものソラテラのメニューでは??、と思ったのでした。

よく考えると、田舎、山では畑があり野菜がある。冬野菜は土をかぶせて保存してある。
季節によるけれど春は山菜が取れる。(今日も、自生しているというワケギをとってきて、酢味噌和えの一品料理が増えました。)
たくあんや漬物、凍み大根や干し柿など、保存食はかなりある。

日々の暮らし、食が、そのまま非常食にもつながっている、
という事実。
そもそも保存食って、寒い冬や暑い夏を乗り切ったりするための昔の知恵だから、いざという時に役立つのだなと実感しました。

逆に、スーパーで買ってくる野菜はきれいになっていて洗う
(水を使う)必要はないけど
畑からとってくる野菜は泥だらけ。
どうしても洗わなければいけません。
そのへんも、実際作ってみて気づいたことでした。

作った6品についてですが
まず、ご飯。
半信半疑でしたが、美味しく炊けました。
大人数の米を炊くときは、ひとつの袋にどのくらい水をいれればいいの?など
みんなで頭をくっつけて、「じゃあ、袋に印をつけて、いろいろやってみよう!」。
炊き上がったご飯は、予想以上に美味しく炊けて、
「こっちの水分量でよかったね」、と確認することができました。

使用する水の制限がある中で、水をたくさん使うすいとん。
でも、災害時には温かい汁物が欲しい、とよく聞きます。
洗い物などに使う水は極力節約して、使うところにはきちんと使う。
そんな水の使い方も気づきのひとつ。

高野豆腐や切干大根、干し椎茸、寒天は乾物と呼ばれるものですが
食物繊維などの栄養価も高く、保存もきくので非常食には役立つ食材です。
水で戻さなければいけませんが、その水も食材の味がしみでているので
料理に使え、無駄がありません。
最近では、高野豆腐や切干大根なんて食べ慣れないかもしれないけど
滋味深くてとっても美味しい煮物に仕上がりました。
ぜひ、普段の食事にも取り入れて欲しい乾物です。

サバ缶と玉ねぎスライスのサラダは、非常食のテレビ番組を見て真似たのですが
とても美味しくできました。
その秘密はレモン汁を少し混ぜたこと。
ビニール袋に玉ねぎスライスとサバ缶(サバ缶の汁はすいとんに入れました)を入れて揉んで
レモン汁としょう油を少し加えるだけ。
そこに、Tさんの提案で、少しあぶった油揚げを千切りにして、サラダの上に乗せましたら・・・
これはもう、非常食とは呼べない一品料理に!
サラダに使う玉ねぎスライスも、
「水にさらす?」「うーん・・・もし、非常時だったら・・・水もったいないから、そのままでいいよね?」
ということでそのままの玉ねぎでしたが、何の問題もなく、美味しいサラダに。
そんな会話も飛び交う台所。

大根と寒天のサラダも、寒天を戻した水を洗い水に再利用したりと節水。
大根サラダのドレッシングは、手作り胡麻しょう油ドレッシング。
なるべく洗い物を減らすよう、ビニール袋を使うなどして努力しました。

最後の煎り豆は、非常時でも甘いものやおやつが必要、
ということもあり、おやつ枠で作りました。
煎るだけでよく、フライパンも汚れないし、ポリポリとした食感、
何よりも大豆タンパクが取れるのが嬉しい。
魚や肉の味の濃い缶詰だけでなく、豆類を積極的に取る、
というのも栄養的にみて非常時には大切だと思いました。

以上、作った6品のほか常備菜として
①浸し豆
②りんご煮
③漬物
も用意。このように、保存食ではないけど、冷蔵庫を開けるとすぐ食べられる何かがある、というのは心強いです。
3日間くらいなら余裕。日々の食事やおもてなしでも常備菜は大活躍だけど、こんな時も役立ちますね。

4月のソラテラ「非常食を考える」

最後に、作った料理を囲みながら皆さんに感想を聞きましたが
とりあえず、水!水、大事!
でも、意識して調理することで、この水を洗い水に使おうとか、あれを茹で終わったら、次にこれも茹でよう、など
再利用する気持ちを持てたことが良かった、という声も。
今日は、6品作り、全ての工程で9リットルの水を使いました。(最後の洗い物除く)
大人が14人でしたので、一人約650cc。
4人家族で10リットルなので、たらふく食べたこの食事だけで、この水量であれば、まずまずと思います。
ただ、最後の洗い物、またそのほかの生活用水などあるので、
本当の非常時には、このようにはいかないのでしょうが、今回水の大切さに気づけたことだけでも良し。

調理をしていて、まな板が洗えない!ということにも気づきました。
最低限、1枚のまな板で切り出ししましたが、衛生的に考えてまな板洗いたい・・・でも洗えない・・・
ラップだと切れちゃうね~・・・牛乳パックなら、いいんじゃない??
まな板は使いづらい。牛乳パックがあると便利。
これも素晴らしい発見!

若い人からは、まずは料理の技術を身につけたい、という感想もいただきました。
節水などは気をつけてできるけど、残ってるこの食材とこの食材を組み合わせて、これ作ろう!とか
この余ったものは、もったいないからこっちに使えばいいよね、など料理のアイデア。
それこそ日々の主婦の技?が、非常時には活躍するのですね。

火を使えるということも大きいです。
今回は薪ではなく、ガスコンロを使ったので、非常時はこんなに
スムーズではないでしょうが、
それでも、食材を温める、温かいものが食べられる、というのはありがたいものです。
火を起こす、ということも知る必要がありそうです。


最後に、今回のソラテラまとめとして
やはり、いろいろと気づけた事が多く、実際に意識してやってみたことは良かったと思います。
土があり、保存食を含め、身近に食材がある暮らしの大切さ、ありがたさも感じました。
今回初めて試みた非常食。まだまだ検証が必要です。
もし、皆さんの中にもこんなアイデアが!
こうしたら??などありましたら、
またぜひ、お聞かせください。

そして、意外にも精進料理との共通点。
精進料理はお坊さんの修行中の際の食事です。
質素なものですが、動物性食品は含まれていないのに栄養バランスがよく野菜も豊富。
高野豆腐や切干大根などの乾物、保存食を多く使っていること。
最後に、そんな発見もしたのでした。
ある意味、修業中も非常時ということか・・・icon16icon16

そして4月8日は、お釈迦様の誕生日、灌仏会。
そんなご縁もあったソラテラで、甘茶をいただきながらの会となりました。
日々の食事、暮らしを見直し、非常時、災害時を考える機会となればと思います。


最後の最後に・・・
来月のソラテラのお知らせ★

来月は5月8日(金)。
恒例になりました大好評、草餅をつくります。
お楽しみに!










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Posted by 玉泉寺 at 23:29 | Comments(3) | ソラテラ
この記事へのコメント
高野豆腐と切り干し大根を肴に、、、、
雪の下より掘り出した白菜とコンビーフ炒め物
保存食の漬物等々
非常食は酒の肴によく似合う
ほとんど不真面目な発想でした
Posted by 横浜の北 at 2015年04月10日 19:02
高野豆腐と切り干し大根を肴に、、、、
雪の下より掘り出した白菜とコンビーフ炒め物
保存食の漬物等々
非常食は酒の肴によく似合う
ほとんど不真面目な発想でした
Posted by 横浜の北 at 2015年04月10日 19:06
そうそう、火の気がなければ酒をのんで、身体あっためればいいね~、なんて話も出てました笑。酒ならいっぱいあります!
Posted by 玉泉寺玉泉寺 at 2015年04月16日 18:09
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