2020年10月23日

八正道 正見

お釈迦さまの教えの中に、八正道はっしょうどう、というものがあります。

8つの正しい道、ということです。

お釈迦さまは、生きる上での苦を取り除く実践術として
八正道を説かれました。

8つとは、
正見しょうけん・・・正しく物事を観ること
正思惟しょうしゆい・・・正しく考え判断すること
正語しょうご・・・嘘や悪口から離れること
正業しょうごう・・・殺生や盗みから離れること
正命しょうみょう・・・道徳に反する職業や仕事はせず、正当な生業をもって生活を営むこと
正精進しょうしょうじん・・・過去や未来に起きた不善を断じ、過去や未来に生じる善を増やすこと
正念しょうねん・・・常に、今現在の内外の状況に気づいている状態
正定しょうじょう・・・正しい集中力をもつこと


その中で、最も大切であり、基本であるのが
正見。物事を正しく見る、ということなのだそうです。


たとえ話で、よく話されるのが
コップの水のお話。

コップに水が入っている。
それを、
「まだ、これだけ入っている」、ととらえるか
「もう、これしか入っていない」、ととらえるか。

人は、たいてい「もう、これしか入っていない」と思うのだそうです。
そのように思考がはたらいてしまう。

でも、コップには、水が入っている。
その事実は変わらないのです。
コップに水が入っているというのは、変わらない。

それを、人は、これしか、という目で見がちなのです。
そこを正見。正しく物事を観て、判断する、ということが大切であると
お釈迦さまは説いているのです。


少し前、ちょっとしたことがあり、ズド―――ンと落ち込んでいる私に
副住職が話してくれました。

確かに。
私は私、という事実は変わらない。
自分以上でも自分以下でもない。
それを自分以下に見がちなんだな、と思ったことで
なんだか気が楽になりました。

周りだけでなく、自分自身を正しく見ることで
気持ちの落ち着きをかんじるのだな、と
それを知って、なんだか得した気分になったのでした。

皆さんも、正見、八正道、気にしてみると良いのではないかなと思います。


 


Posted by 玉泉寺 at 21:55 | Comments(0) | お寺