部活動の地域スポーツクラブ移行について思うこと

2024年05月08日

部活の地域移行という話題、課題が出て数年。

学校では部活動は行わず、地域のスポーツクラブへ
子供たちが属して活動を行うことを指します。

学校の先生の不足、先生の働き方改革、子どもたちの習い事の多様化
などが主な理由です。

地域移行では、専門的な指導者が指導してくれるということ、
地域スポーツクラブなので、生徒自身も学校外のさまざまな生徒に触れ合えるということ、
また、クラブには大人も含まれており、児童生徒だけでなく
先生以外の大人や指導者に出会えるということ、
部活と違って、一つのクラブに所属する必要はなく
好きなものをいくつ選択しても良いということ、

がメリットとして挙げられています。

結論から、私が何を言いたいかを言うと
クラブの地域移行は地域格差、家庭格差が広がってしまうため、
行政が何らかの補助をしてくれないと困る、ということです。

喫緊の問題として、以前から地域移行する、という話はもちろん知っていました。

長男の通う信州新町中では、来年令和7年6月で学校主体による部活動が完全に終わり
地域移行となるそうです。

そこで今年度、中1となり、バトミントン部に入部した息子を持つ親としては
はて困るな、と率直に感じました。

つまり、長男は中2の6月で部活がなくなるわけです。

軽く学校の先生に聞いたところ、
指導者がいればいいのですが・・・、とのことでした。

先生が不足しているのも分かるし、生徒の減少により運営できないのも分かる。
だから、今まで通り学校で部活をやってください、とは思いません。

でも、学校で行う部活のメリットは
①送り迎えを親がしなくて良いので親の負担にならない。
②スポーツクラブはお金がかかるけど、学校ならお金がかからないので金銭的にも負担は少ない。
③学校の部活は、積極的に「これがやりたい!」と思わなくても入部し、
 ひいてはその活動が思いのほか自分にとって、生涯スポーツであったり
 趣味となったりすることがある。

①に関しては、地域格差がかなりあります。
新町のような中山間地は、地域スポーツクラブといっても遠い。
子どもが自分で自転車で通える距離にクラブがある市街地とは同じではありません。

②については、家庭格差があります。
スポーツクラブに入りたい、と子供が言っても、経済的にむずかしかったり
また、多子世帯では、一人ひとりの子どもに合わせた習い事を、と考えると
地域スポーツクラブに何人もの子供を通わせるのは限度があります。

③については、部活動をやる意味本来についてです。
意味については、スポーツや文化芸術活動が上達することが挙げられますが
その他にも、そのスポーツや芸術分野で将来一流にならなくても
中学生活の中の3年間、あるスポーツや芸術をやり通した、または、それらに触れ合えた、
という経験体験は、生涯にわたって自分を高め、癒し、自信にもつながると思います。
ここが一番意味としては大きいのではないでしょうか。

私個人のことを言うと
私は中学3年間、ギターマンドリン部で、ギターを弾いていました。
とくにギター大好き!でもなく
ギター弾けるようになりたい、でもなく
ただ単純に姉が入部していたから、という理由で入ったのです。

それでも3年間、それなりにコンクールや大会に出たことで
楽しかったし、最低限弾けるし、今では趣味として自分で楽譜を用意して
好きな曲を弾き語りもしています。

もし、部活動ではなく地域クラブとしてだったら
私はあえて、お金をかけて、親に送り迎えをお願いしてまでギターを
習わなかったでしょうし、
そう考えると、私とギターの出会いは、学校での部活動だったから、と言えます。

親としては、そういう経験をさせてあげたい、と
心から願います。

自分が、サッカーやりたい!バレエやりたい!と一生懸命やれる子、思う子はいいかもしれません。
やりたいと思わないなら、やらなくてもいいんじゃない?
結局は子供次第だよね?
という意見もあるかもしれません。

でも、何気なく始めたギターや何かによって、生涯の趣味、ができるのなら
素晴らしいことだと思うし
そうした、「あいまいな」部分、もとても大切と思うのです。

もし今、子どもたちが学校の部活動がなく
すべて地域移行となったら
そうした「積極性」(お金をかけて、親が送迎をして)をもってクラブに関わる子、関われる子が
どれほどいるのでしょう?

市街地はいいかもしれない。
でも中山間地は?
一人っ子はいいかもしれない。
でも多子世帯は?

長野市は(いや全国か)中山間地活性化、と言い
少子化対策に力を注いで、子育てしやすい暮らしを、と言っています。

しかし、どうでしょうか。
部活の地域移行ひとつとっても、
山間地であることや、多子世帯であることが足かせとなり
街場へ暮らし、子どもは一人で十分、と思うのではないのでしょうか。

初めに言ったように、だから学校がやれ、とは思いません。
人口減、先生不足により、学校の部活動が無理なのは分かってる。
昭和の時代のような部活動をイメージするのも、もう違う。

しかし、私は、せめて小学校、中学校の義務教育までの間は
家庭格差、地域格差を埋めるのは行政であり、政治であると思います。

やりたくてもできない家庭、やりたくてもできない地域、があります。
子どもがやりたがってないから、やらなくて良い、のではなく
やれる機会を平等に与えるのが、義務教育なのではないでしょうか。

やりたい子だけがやっていれば、ますます格差は生まれます。
ますます少子化になります。
高校になったら、それはもういい。自由ですから。
でも、せめて義務教育期間は、平等な教育を、政治がなんとかしてくれなくては困ります。

その政策を考えるのが政治家だと思います。
私は補助金を出すしか今のところ考えが浮かびませんが
この問題は、どうしたら良いのでしょう。
本当に難しいです。

市町村議会議員から、国会議員まで、政治家は、いろんなところを視察しているのなら
何かアイデアを出して考えてほしいと思います。

地域移行について、全国でいろんな市や町が
「地域移行はこんなメリットがあります」と、ユーチューブにアップしていますが
良いところしか言ってないし、街のことしか考えていない。
ですから、議員の皆さん、ぜひ考えてほしいと思います。











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Posted by 玉泉寺 at 12:32 | Comments(0) | 暮らし | 子育て | 社会派
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